ある日突然口座の中に4630万円入金されていたら・・・。
あなたならどうしますか?
多分、依存症ではない人であればきっと使うという選択肢はありませんよね。
しかし、依存症者は違います。
私も含め、ギャンブル依存症の方にとって『使ってはいけないお金』を使い込んでしまうことは日常茶飯事です。(今は無いですよ)
家賃
家の預金
何か家の物売って得たお金
サラ金
闇金
いろいろな手段でお金を調達してギャンブルをしていましたよね。
しかし、誰もが最初から使い込んでやろうと思って『使ってはいけないお金』に手を出す訳ではありません。
おそらく皆さん、一時的に借りて増やした分だけ自分のものにしようと考えていると思います。
(ほとんどは増やすことに失敗して傷を広げていきますが)
こち亀の両さん的な考え方です。
ちなみに、こち亀で同じく誤送金で500万円を得た両さんは一時的に借りて、競馬で増やし、増やした分を貰っておこうと目論んでいました。(結果的に競馬では使用せず、競馬場へ向かう途中500万円を紛失し自殺しようとしている若者にあげた)
まぁ両さんも依存症なんでしょうね。
それでは、この記事では話題になった4630万円誤送金事件とギャンブル依存症の関係やオンラインカジノについて依存症本人が思うことを書いていきます。
お時間があるときにでもお読みください。
依存症者にお金は薬物依存者に薬物を提供しているのと同じ
まず前もって理解してほしいのは、私は今回の誤送金された4630万円を使用したことについて肯定しているわけではないということ。
ただ、アルコール依存症の方の目の前にお酒を積み上げていたり、薬物依存症の方に薬物を提供すれば手を出してしまうのは想像に難くないですよね?
ギャンブル依存症にとっては、そのトリガー(引き金)がお金です。
こう言っては何だが、私がギャンブル依存症真っ只中であった場合に同じような境遇になれば使ってしまう自信があります。むしろ今でも若干怪しい・・・。
今回の事件の原因がギャンブル依存症だとすれば、世間では世紀の大悪人のように報道されていますが、同情の余地もあるのではないだろうかと私は思います。
もちろん、不当利得で得たお金を使用したことは紛れもなく犯罪です。
償う責任は勿論あります。
そもそも役所が誤送金したことに責任があるとも言いません。
しかし、パチンコやオンラインカジノ・競馬・競輪といったような賭博行為を黙認している国の制度や、それに伴うギャンブル依存症という病気へのケアを軽視していたことも原因の一つであるとは思います。
幸か不幸か、今回の事件で『ギャンブル依存症』に対する世間の注目度は高くなりました。
行政や世論も『ギャンブル依存症』について、よく考えるきっかけになったかもしれませんね。
それでは、今回の事件。
ギャンブル依存症の疑いはあるのでしょうか?
4630万円誤送金事件はギャンブル依存症が原因?
改めて言っておきますが、私自身今回の事件のご本人のことは全然知りませんし、事件の内容もニュースで見るくらいしか知りません。
ただ、ニュースを見る限り自分と似たような行動をとっているなと思うことが多々ありました。
似ている点①口座残高665円
私も毎月毎月数百円の端数が残る程度の残高でした。
ギリギリまで使う。いやむしろ足りないので消費者金融などで借りる。
まぁ底まで行けば数百円でもおろしますけどね・・・。
似ている点②入出金記録
4月8日の678,967円。およそ5千ドルくらいでしょうか。
ここで勝てていればおそらく最初本人が考えたであろう、一時的に借りて増えた分をいただく作戦が成功していたかもしれません。まぁ善いか悪いかでいえば悪いことですが。
4月8日でおそらく負けて、土日を挟み、4月10日。
せめて±0まで戻さなければならない。いわゆる負けられない戦いですね。
熱くなったのでしょう。私もパチンコに3万持っていき、もう3万、もう3万とATMへ駆け込んだ記憶があります。
もしかしたら途中でプラスだった時もあるかもしれません。
しかし、依存者はこう考えます。
ここで辞めても得がない・・・と。
むしろここまで戻せたんだから固くいっとけばそうそう負けないだろう・・・と。
そのような状態を繰り返していれば4630万はすぐ無くなりますね。
パチンコのように時間的に消費できるお金に制限がある訳ではないので、オンラインカジノや競馬は一瞬でお金が無くなります。
最初は10万ずつ掛けていても、負けが込んでくれば掛け金は100万になり500万になり。
そして引くに引けない状態になってしまえばもうどうにでもなれです。
途中で辞めれるなら依存症とは言いません。
また、オンラインカジノは海外で行われている為、お金を引き出すのに時間がかかります。
今回、カジノからの入金が一切ないのは負け続けているからはなく、1時的に勝ってもカジノ側にプールされている間に使い切っているのかもしれません。
ギャンブル依存症の特徴は、『ギャンブル依存症は、人生に大きな損害が生じるにも関わらず、ギャンブルをしたいという衝動が抑えられない病態』をいいます。
ニュースで普段からギャンブルを常習的に行っていたとの報道もありましたので、ギャンブル依存症だったのかもしれませんね。
最後に、オンラインカジノは合法なのか違法なのかについて調べてみました。
オンラインカジノは合法?違法?
よくアフィリエイトサイトなどで言われているのは、オンラインカジノは合法ではないが違法という訳でもない。いわゆるグレーです。との記載されていることがありますが本当でしょうか?
賭博罪に関わる法律で有名なのは『賭博場開張図利罪』。
賭場を運営する側は明確に違法とされています。
ではオンラインカジノはどうでしょう?
オンラインカジノを国内で行っているのであれば勿論違法です。
『インカジ』『闇カジノ』とも言われ、利用している方や場所を提供したお店もよく摘発されています。
しかし、オンラインカジノの場合は海外のサーバーで行われており、その国の法律上賭場を提供したからと言って罪に問われることはほとんどないでしょう。
次に、『単純賭博罪』と『常習賭博罪』。
ことらは賭博行為自体を禁止しています。
例えば、公営ギャンブルではないパチンコ店の景品で認められているのは、ジュースやお菓子などの比較的単価の低いものばかりです。お客さんは持ち球を商品に変えてもいいし、特殊景品と呼ばれるパチンコ屋の近くにある交換所でお金と換金してもらうこともできます。
パチンコ屋の換金システムについて詳しく知りたい方は下記記事へどうぞ。
直接パチンコ店からお客さんにはお金を提供していない訳です。
勿論、マージャン店などでも高価な景品の提供や金品の賭けは風営法により認められていません。
まぁ要するに一回きりの賭け事でも国内で賭博行為が行われれば違法ということですね。
グレーだと言われているのは、違法ではあるが罰金刑のみであり、摘発するのに必要な労力と罪の重さが割に合わないから現状は摘発していないということですね。
『じゃあ大丈夫じゃん。』
と思われた方。
辞めといた方がいいですよ。
今は黙認されているような状態ですが、そもそもが違法行為なので、行政が本腰を入れれば明日にでも解釈は変わるかもしれません。
黙認されている=いつ検挙されてもおかしくないとも言えますよ。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は4630万円誤送金事件とオンラインカジノに対して、ギャンブル依存症本人が感想を書かせていただきました。
この事件をきっかけに、ギャンブル依存症について色々な人が考える機会になればいいなと思っています。
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