ギャンブル依存症患者の金銭管理|現金=ギャンブルの引き金

金銭管理ギャンブル依存症について

本日は大阪の『らいくみ塾』に参加してきました。
そこで話題になったのは、『金銭管理』について。

この問題はギャンブル依存者本人とサポートしている家族にとって、認識が大きくずれている場合もありますので、『なぜ金銭管理をしているのか?』といった理由も含めてしっかりと相談しておくべきことだと思います。

それでは、ギャンブル依存者の金銭管理について詳細を記述していきます。

ギャンブル依存症とは何なのか?について興味がある方は、先に下記記事をお読みください。
https://gambleizon.xyz/izonsyotowa/

金銭管理の方法|ギャンブルできない環境作り

金銭管理はギャンブル依存症から回復するために不可欠な環境作りです。

「大の大人が金銭管理をするなんて、子ども扱いだし、やりすぎでは?」

などと考えるのはギャンブル依存症の怖さをまだまだ知らない人の考えです。
依存者にとってギャンブルの最大の引き金は現金です。現金=ギャンブルのきっかけだと肝に銘じなければなりません。
どんな大切なお金でも(生活費、子どもの学費、会社の運転資金、借金返済のための金、退職後の貯
金、遺産etc)依存者にとってはギャンブルへの資金にしか見えません。


それが大切なお金だと判断する理性を上回るギャンブルのへの欲求・衝動がある為、現金によって簡単に理性が崩壊してしまいます。これがギャンブル依存症の場合の深刻な症状の一つだと知りましょう。

それでは、具体的な金銭管理の方法を3つにまとめましたので確認していきましょう。

①現金は必要最低限しか渡さない

できれば小銭で渡すのが1番です。
というのもパチンコやスロットの遊戯できる最低の金額は1000円です。
ギャンブルを辞めたばかりの初期段階であれば、お札を渡すのは止めておきましょう。
もちろんキャッシュカードやクレジットカードは本人には渡さないでください。

あなたが気づいたときには残高が消えています

今の世の中は便利なもので、ペイペイや楽天ペイなどの決済手段が充実していますので、そういったアプリをメインの決済手段とするのも良い方法ではあります。

ただし、私が調べたところによると(というか実際に使った)LINEペイは現金として出金してしまうことができてしまいますので止めといた方が無難です。

②領収書を必ず貰う

とはいえ仕事の経費や付き合いの飲み会など、現金が必要となるケースはいくらでもありますので、常に小銭のみということは現実的には不可能です。

そういった場合には、必要な額を渡してください。
ただし、使用した現金の領収書は必ず貰うようにしておきましょう。

万が一、渡したお金でギャンブルに行ってしまったとしても、その日に領収書をチェックすればその日に不明金の詳細は聞くことができますので、そこまで大きな痛手にはなりません。

また、日々領収書を管理しておかなければ、小銭を貯めてお札に変えたり、適当な領収書を拾ってきてお金を貯めることもありますので、不審な使用方法はないか注意しておきましょう。

『そこまでするか?』

と思われるかもしれませんが、ギャンブル依存症になってしまうと、ギャンブルの為の資金調達のために脳がフル活用されます。

『ごまかせない』環境を作ることが、回復への第一歩です。

③給与明細は必ずチェックする

現在では現金手渡しという会社はほとんど存在しませんが、成績優秀者などの報奨金などは同僚の士気を上げるためにも現金で支給するという会社もたまにあります。
また、交通費などの経費精算なども、総務に相談すれば現金でもらうことも可能かもしれません。

そういった場合でも、基本的には給与明細には反映されることが多いので必ず確認しましょう。

借金させない環境作り

ギャンブル依存症=借金

という図式が成り立つほど、依存症と借金の問題は切っても切り離せません。
その為にも、借金ができない環境作りのためにできることをしておきましょう。

①身分証は家族が管理する

身分証を管理することで、新たな契約はできなくなります。

運転免許証は持ってないとダメでしょ?

確かにそうです。
なので私も絶対にそうしてくださいとは言いません。

しかし、その運転免許証で家族の管理していない口座を作ったり、キャッシュカードを作って借金
を繰り返す人の場合、身分証明書を持たずに生活することも考えることも選択肢の一つです。

運転免許証不携帯の罰金=3000円

違反点数はありません。

新たな消費者金融との契約=○○万円(更に回復への道も止まる)

上記を天秤にかけてあなた自身でご判断ください。

②貸付自粛制度を利用する

日本貸金業協会が行っている『貸付自粛制度』というものがあります。
これは「資金需要者が、自らに浪費の習癖があることその他の理由により、自らを自粛対象者とする旨または親族のうち一定の範囲の者が、金銭貸付による債務者を自粛対象者とする旨を日本貸金業協会に対して申告することにより、日本貸金業協会が、これに対応する情報を個人信用情報機関に登録し、一定期間、当該個人信用情報機関の会員に対して提供する制度」とされています。

簡単に言うと、この契約を結ぶと 5 年間は借金ができません。
ただし、途中で解約すればまた借りれちゃいますので効果は薄いです。

③闇金で借りた場合は?

借金ができない環境になると、闇金に手を出す方も珍しくありません。
そうなると、非常に面倒です。

社会的に失うものがない状態(職場やご近所さんに闇金の存在がバレても問題ない場合)であれば、警察・弁護士にささっと相談すれば、すぐに解決します。

そもそも返済義務がないので。
多くの人は『職を失いたくない』『ご近所さんに知られたくない』ということで本人の代わりに立て替えてしまうことが多いですが止めておきましょう。

一度闇金から借金をすると、その情報はその手の業界の顧客名簿として一斉に拡散されます。
次々に闇金から連絡が来るので、一旦返済したとしても、またすぐに借りてしまうようにできています。

回復を目指すのであれば、転職や引っ越しを覚悟で闇金への返済はしないことです。
また、闇金などと繋がっていると、スマホや口座の売買などを持ちかけられることも多いので、ある日突然逮捕されるリスクもあります。

本人の為を考えるのであれば、手を切らせましょう。
提携の弁護士さんをご紹介いたしますのでお気軽にご相談ください。

いつまで金銭管理を続けるのか?

ギャンブルに戻ってほしくないのであれば『いつまでも』です。
というと、永遠に悩み続けなければならないのか?と思いがちですがそうでもありません。

ギャンブルから3年ほど離れていれば、自然とギャンブルへの熱は冷め、一定の金額であれば持っていても大丈夫な場合もあります。

その際には、依存者本人に『いくら持っていればギャンブルに行きたくなるのか?』と聞いてみてください。

人によっては千円だったり、5千円だったり違いますが、ギャンブルに行きたくなる金額のラインが存在します。

その申告の範囲内であれば、症状が落ち着いていれば持たせる金額を上げてみてもいいかもしれません。

その繰り返しで信用を貯めることにより、管理のない日常生活に戻ることもできるかもしれません。

ただし、必ず依存者本人としっかりと相談して決めてください。

面倒くさくなったり、可哀そうだし「ちょっとくらい現金多めに渡しても大丈夫だろう」は禁物です。

支払いのために銀行へ振込みに一人で現金を持っていく

車のガソリンを入れにガソリン代を持っていく


現金を持つことで刺激を受け、それが何度か重なり、ストレスなどの他の刺激が加わった時に、ギャンブルの衝動が勝ってしまい、スリップしてしまうということがよくあります。

いい方は悪いですが、あなたが信頼を押し付けているだけです。
例えば、薬物依存症の人にクスリを預けて、『大丈夫だよね?信頼してるよ』と試したりしますか?
ギャンブル依存症の場合は現金がクスリです。

ギャンブル依存症が病気であるということをしっかりと認識して金銭管理を行いましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました